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2019/03/07
私の仕事の流儀 山口宜孝・戸谷和信 「人を育てる工場 – 鳩山センター 」

鳩山センター 製造部 山口宜孝
鳩山センター 切断部 戸谷和信

 埼玉県比企郡鳩山町にある工場、鳩山センターでは、大板ガラス(約4m×2.6m)を切断する設備があるほか、ペアガラス(2枚のガラスの間に空気を閉じ込めることで断熱性能を高める効果があるガラス)の製造を行っています。今回は、ここで働く2人のリーダーに話を聞きました。

□鳩山センターを変えたい、それぞれの想い
山口 私が入社した頃は、ガラス職人特有の昔かたぎで頑なな考えの人が多く、安全面についても今より確保できていない状況でした。その状況をなんとか変えたい、どうしたら自分の意見を聞いてもらえるのだろうと、当初は、そのことばかり考えていました。私は上も下も関係なくはっきり物を言うタイプなので、これまで人間関係においてぶつかる場面が多々ありました。しかし、上司と意見の食い違いがあったときには、朝と帰りがけに必ず上司のところへ行き、会話をすることを毎日続けました。会話の内容は、その日一日の仕事のことや、仲間の状況についての報告ですが、毎日続けることで、徐々に距離を縮め、お互いを分かり合えるようになりました。

戸谷 私は入社して間もなくリーダーに抜擢されたのですが、そのときは嬉しい反面、自分よりベテランの社員に指示をしなければならないことに対する戸惑いがありました。当時は、自分のような人間が言っていいのかと考えてしまい、よく山口さんにも相談をしていました。鳩山センターは、社員の他に派遣社員の方が多く働いていて、その中には外国の方もいらっしゃいます。文化の違いもあり、仕事の工程等、理解するまで説明をすることに時間がかかることもありますが、立場は関係なく、誠実で熱心に仕事に取り組んでくれている方は評価をさせてもらい、重要なポジションを担って頂いています。能力や姿勢に、立場は関係ないですからね。

□思いやりは必要だけど、遠慮はいらない
戸谷 個々の自由な発想を大切にしたいですよね。自分の意見をなかなか言えない人には、いろんな角度からアプローチをしています。「これがダメなら、今度はこちらの角度から」と工夫をしながら諦めずに対話をします。あるとき自分の意見を言ってくれたときは、「この人は、こういう伝え方なら話してくれるんだ」と、その人のポイントというかツボを見つけたことに、嬉しくなりました。色んな人、色んな意見があるからこそ、毎日この場所で働くことが楽しいのでしょうね。

山口 残念ながら、遠慮から指摘する事をためらってしまう人もいます。相手を思いやる気持ちは大切ですが、遠慮して伝えないことはとても残念な事だと思います。また、事故の原因にも成りかねません。遠慮せず、対話や相談し合える関係づくりを、今まで以上にしていきたいです。

戸谷 怪我は絶対にさせたくない。仲間にも見せたくないですからね。

□安全も、品質も、洗練された工場を目指して
山口 以前に某メーカーの工場を見学した際に、工場の規模は弊社と比較にならないくらい大きな工場だったのですが、年期の入った機械を綺麗に使用している状況を見て、大切に使うように社員一人一人がちゃんと教育されていることを強く感じました。これからは、鳩山センターで働く一人ひとりの知識向上にも力を入れていきたいと考えています。資格の取得等、積極的になれる環境を作っていきたいです。

戸谷 いつか鳩山センターでも、お客様である販売店さんを招待して見学会を開きたいですね。多くの人に、安全で信頼できる工場であり、また、そこで作られる製品であることを実際に見てもらいたいと思っています。

山口 先日、小学3年生の娘から「パパの職場を学校で社会科見学したい」と言われました。私もぜひ娘に見学してもらいたいので小学校卒業までには実現させたいと思っています。それが今の私の夢です。それも、社会貢献の一つですよね。

□2人のリーダー、お互いの存在
戸谷 山口さんは、とにかく責任感の強い人です。立場は関係なく、いつも自分の意見を言える人。そして、とても勉強熱心なんです。

山口 戸谷さんは、ユーモアがあって誰とでも分け隔てなく接し、相手の気持ちを掴むのが上手な人です。自分には持っていないものを持っていて、いつも頼りにしています。戸谷さんにとって、10歳年下の私が上司と言う立場になるのですが、唯一私に、はっきりと意見を言ってくれる人です。私にとって、必要で大切な存在です。


高品質な製品を生み出す製造部門という立場で、マテックスに付加価値をつける場所、鳩山センター。「人」とともに「人」を育てながら、更なる飛躍を続けていきます。